ミノープラグにアクションの良さを求めると、それは浮力との闘いです。ABS樹脂製 vs バルサ製。アクション対決の勝者は、浮力の大きいバルサ製ミノーだと歴史が証明しているでしょう。しかし、バルサ材は水を吸う。傷などから浸水すると動かなくなる。強度が低いため、その危険性は高い…。ロンズのボディは硬質発泡スチロール。発泡倍率を精査して比重を調整、バルサ材と同等の高浮力にセッティング。その物性は水を一切吸わず、さらに強度を向上します。また、天然素材とは異なり品質のばらつきがありません。際限なくアクションを追求すること。目標どおりのクオリティーを保つこと。ロンズのボディマテリアルは明確なコンセプトにより導かれています。

最良のボディ素材を得たロンズがめざしたのは、どの一点においても狂いなく精緻なボディ成形です。人の手で削りだしたアクションマスターボディを3Dスキャンし、デジタル技術で磨きあげる。そして、完璧な左右対称形に補正されたデータどおりに、ブロック状のグラファイト塊から金型マスターボディを、プログラムで精密に切りだします。そのグラファイト製マスターボディに電気を流し、アルミ塊に押しつけるようにしながら放電加工へ。十分に時間をかけて溶解され、丁寧に掘りこまれたアルミ型は、寸分の狂いもない精緻な硬質発泡スチロール製ボディを焼きあげます。一切のひずみを排除したパーフェクトフォルム。ロンズの完璧な左右対称形ボディは、激流にも負けないグッドバランスに昇華しています。

“ピュアローリングアクション”の実現に大きく貢献したのは、高精度かつ徹底した低重心構造でした。ボディ下部へ精密にウェイトを配置すること。通常の、かみつぶし鉛やボール状鉛を内蔵する構造から離れ、より低重心の専用ウェイトを得るために。ロンズ自身の3Dデータと鉛の比重を基に、腹部にぴったり沿うようなウェイト形状を体積換算して創出、内蔵しました。さらに、ABS樹脂に比べ強度の低い硬質発泡スチロールの弱点を克服するために。当然の配慮としてワイヤースルー構造。さらなる配慮としてローリングスイベルにもワイヤーを貫通。万が一ボディを破損する事態が発生しても、ラインとフックをつなぎ続けるアイデアを。千載一遇のトロフィーフィッシュとも心強く渡りあえます。



各生産工程ひとつひとつ、すべてにおいて最善の心配りを。どこまでも精緻に設計すること、どこまでも正確なプロセスとすること。加えて、アングラーの感覚によるクオリティーの確認を。数値での品質管理、プラス、人の感性領域においても厳しく精査していくこと。ロンズは全製品すべてを、ひとつひとつスイムテスト。わずかな泳ぎの乱れも見逃さぬよう、匠の目による品質チェックを実施しています。任意に選出したいくつかの製品を調べることでは到底およばない、ロンズとして自然の工程です。あらかじめ水の中での状態を把握し、自信を持ってお届けする。匠の技とともに、先進の先へ。フィールドで泳ぐ資格のあるロンズだけが、あなたの河に向けてパッケージングされています。